不動産売却の流れを知る

不動産売却をすすめる上で、あらかじめ流れを把握しておくことで、売却までスムーズに対応することができるでしょう。ここでは不動産売却のながれについて紹介していきます。

不動産売却の流れ

まずは売却の理由を明確にする

なぜ不動産を売却したいのか、理由を明確にしておきましょう。たとえば子供が独立した、親の相続だから、まとまった資金が必要だから、など理由は様々あるでしょう。理由を明確にしておくことで、不動産を手放す覚悟も持つことができるはず。

物件の相場を調査する

不動産を売却する際、どのくらいの価格で売れるのか気になるところでしょう。もし適正な相場を把握していなければ、不動産会社のいい値で売却されてしまうことも。しっかりと自分でも物件の相場を調査するようにしてください。

相場を把握する方法として、WEBの一括サイトを利用するのもいいですが、それを利用してしまうと営業メールなどが何度も届くこともあるので注意が必要です。国土交通省の「土地総合情報システム」を利用すれば、無料で不動産の情報を調べることができます。また近隣の不動産売却情報をチェックする方法もあり、同じような不動産が売却に出ていないか調べてみてください。その不動産がいくらで売却されているのか把握すれば、ある程度の相場をしることができるでしょう。

不動産会社に査定を依頼する

不動産会社が行っている査定は、「簡易査定」「訪問査定」の二つに分けることができます。簡易査定とは簡易的に査定を行うもので、不動産の情報や過去のデータなどから総合的に査定する方法です。現地まで足を運ばないため、机上査定と呼ばれることも。

一方、訪問査定は現地まで足を運び査定を行う方法です。簡易査定の内容にプラスし、周辺の道路状況や実際のロケーション、物件の詳細などを確認し査定を行います。しっかり物件を見てくれるため、簡易査定よりも正確な査定額を提示してくれるでしょう。

媒介契約を結ぶ

査定額に納得でき、また信頼できる不動産会社だと思った場合、不動産会社と媒介契約を結びます。ただ媒介契約といっても、3つのスタイルがあり、どのスタイルで契約を交わすのか、自身で決定しなければなりません。

• 一般媒介契約
  複数の不動産会社に依頼でき、同時に他社とも媒介契約を結べます。また自分で買主を探すことも可能です。自由度の高い契約と言えます。
• 専任媒介契約
  媒介契約を結べるのは１社の不動産会社です。自分で買主を探すことは可能です。
• 専属専任媒介契約
  不動産会社１社と媒介契約を結びます。また自分で買主を探すことはできません。

専属専任媒介契約の方が自由度は低いのですが、不動産会社からは手厚いサポートを受けやすくなります。一般媒介契約の場合、他の不動産会社と契約するかもしれないと考え、不動産会社が積極的に販売活動を行わないケースもあるので注意しましょう。

売却の戦略を立てる

不動産会社と媒介契約を行ったら、次は不動産をどう売っていくかを決めて行きます。不動産会社は売買のプロフェッショナルなので、具体的なプランを考え、ある程度の相場にあった売却予定額を提案してくれるでしょう。しかし売却を行うのはあなた自身です。不動産売却において優先したいことや希望などを不動産会社にキチンと伝えるようにしましょう。同じ方向に向かって進まなければ、スムーズに売買を行うことはできません。気になることや不安なことがあれば、是非とも相談しておいてください。

物件を売り出すために活動する

不動産会社は広告を出し、営業を行うなど不動産購入希望者を探します。その段階で内覧できる準備を整えましょう。物件に興味を持つ人は突然現れるため、内覧が決まってから準備をすると間に合わないことも。内覧によって購入するかどうかがほぼ決まると言ってもいいほど、大切なポイントです。もしガッカリされてしまえば、不動産はなかなか売却できないでしょう。しかし好印象を与えることができれば、早期に売却できるかもしれません。

リビングやダイニングだけでなく、トイレ・オフロ。ベランダ・庭などキレイにしておきましょう。またクローゼットなども見せる可能性があるので整理整頓しておいた方が無難です。

購入希望者と交渉する

購入希望者も、物件を購入するにあたって希望を持っています。売り手と買い手が話合いを行い、条件が合うように調整していきます。その際、不動産会社が仲介に入ってくれるため、直接買い手と話し合うケースは少ないです。ただ新手の購入希望者もいるため、かなり厳しい要求を押し付けてくることもあるので、死守するラインだけは設定しておきましょう。

売買契約を締結する

売り手・買い手が合意した内容に基づき、不動産会社が「売買契約書」を作成します。事前に草案をもらえるので、ミスがないか入念にチェックしましょう。もし売買契約書に印鑑を押してしまうと、よほどのことがない限り変更できないので注意してください。

引き渡しを行う

まず買い手が代金を支払い、それと同時に所有権の移転登記申請を行います。もし不動産に抵当権が付いてある場合は、抹消の手続きも実施。その際、基本的には司法書士が手続きを行うので、司法書士に従ってください。

確定申告を行う

最後に確定申告についてです。もし不動産を売却して利益がでた場合には、確定申告を行い納税しなければなりません。利益がでていない場合には確定申告は必要ありませんが、節税になる可能性もあるので確定申告を行って損はないでしょう。ほかにも控除を受けられるケースもあるため、是非とも調べておいてください。